あなたの伸線ダイスは最高品質でしょうか
伸線ダイスとは、通常、鋼、銅、タングステン、モリブデン等の金属線を伸線するための各種ダイスや、光ファイバーを伸線するダイスを指します。 絞り型の中心には円形、四角形、八角形等、また異型の穴があります。 金属は、ダイの穴から引き抜かれるにつれてサイズが縮小し、形状が変化することもあります。
伸線ダイスのコストは伸線コストの半分以上に達する場合があるため、伸線ダイスの消耗コストを削減し、寿命を延ばすことが金属線製造業者の喫緊の課題となっています。
現在、伸線金型の材質としては、合金鋼、超硬合金、単結晶ダイヤモンド、CVDダイヤモンド、PCDダイヤモンド、セラミック等があります。次に簡単に説明させていただきます。
1.合金鋼伸線ダイス
主に炭素工具鋼や合金工具鋼が使用されていますが、硬度や耐摩耗性が低く、寿命が短いため、現在ではほぼ淘汰されています。
2.超硬合金伸線ダイス
主に超硬合金であり、タングステンとコバルトを主成分としたタングステンとコバルトの合金です。 合金鋼製金型に比べ、耐摩耗性や研磨性に優れ、付着力や摩擦係数が小さく、耐食性が良く、加工適性が良いのが大きな特徴であるため、非常に広範囲に及んでいます。
3.単結晶ダイヤモンド伸線ダイス
単結晶ダイヤモンドは硬度が高く、耐摩耗性が良いという特徴があり、この金型で伸線されたワイヤの表面仕上げは非常に優れていますが、単結晶ダイヤモンドの組織には異方性があるため、硬度も異方性になります。ラジアル方向範囲内での硬さのばらつきが大きく、特定の方向への摩耗が激しくなりやすいため、表面品質の要求が高く小径の細線伸線ダイスとして一般的に使用されます。 単結晶ダイヤモンド伸線ダイスは、天然ダイヤモンド伸線ダイスと人工単結晶ダイヤモンド伸線ダイスの2種類に分けられています。
4.CVDダイヤモンド伸線ダイス
化学蒸着ダイヤモンドとしても知られる CVD ダイヤモンドは、高温低圧条件下で炭素含有ガスによって基材の表面に堆積及び成長する純粋なダイヤモンドです。 CVDダイヤモンドは、高硬度、良好な耐摩耗性、低い摩擦係数、高い表面仕上げを備えており、ステンレス鋼線、タングステン線、銅線、アルミ線等の伸線加工に使われています。
5.PCD伸線ダイス
PCDは、ミクロンサイズのダイヤモンド粒子と結合剤を高温高圧条件下で焼結して作られるもので、高硬度、優れた耐摩耗性、強い耐衝撃性を備え、使用中に均一な線材表面が得られるという利点を示します。高速引き抜き加工に適しています。コスパの高さから、ダイヤモンド伸線ダイスの多くはPCD伸線ダイスコアを使用しています。
6.セラミック伸線ダイス
主な特徴は、硬度が高く、耐摩耗性が良く、化学的安定性が良く、金属と結合しにくいため、難削材の加工に使用できます。