どうやって鉄金属の難加工問題を解決すればいいのでしょうか?
なぜダイヤモンドは鉄系金属を加工できないのでしょうか?
ダイヤモンドは、自然界で最も硬いもので、比類のない耐摩耗性を備え、さまざまな難削材や高硬度材の加工、特に超精密加工や量産加工に最適です。
ダイヤモンドの C-C 結合は非常に強く、すべての電子が共有結合の形成に関与し、自由電子が存在しないため、ダイヤモンドが硬いです。 ダイヤモンドの融点は6900°F、酸素中での発火点は720~800℃、空気中での発火点は850~1000℃です。 また、ダイヤモンドは導電性がないため、電気加工による切断はほぼ不可能です。
ダイヤモンドは発火点が低いため、高硬度の金属材料を高速で加工すると高熱が発生しやすく、ダイヤモンドが炭化して切削性や研削性が低下してしまいます。 同時に、鉄金属には鉄族金属が存在するため、約550℃になると、ダイヤモンド内のC元素がFe、Ni、Co、Mn、Cr等の元素と化学反応しやすくなり、化学的磨耗を引き起こします。 これが、ダイヤモンドが鉄金属を加工できない主な理由です。
どのような状況下でダイヤモンドは鉄金属を加工できますか?
では、ダイヤモンドはすべての鉄金属を加工できないか?
🙌答えはノーです!
加工中の温度が適切に制御され、ダイヤモンドと加工物が適時に冷却され、切りくずが除去され、切削抵抗が低減されれば、ダイヤモンドは鉄金属を加工できます。
鋳鉄によっては、鋳鉄中の炭素と鉄元素が飽和しているため、ダイヤモンド中の炭素がワーク中に解離して炭化反応が起こらない場合もあり、この場合にはダイヤモンドを用いて鋳鉄を加工することも可能です。
だから、一概にダイヤモンドが鉄金属をまったく加工できないとは言えません。
しかし、ダイヤモンドのかわりとして、立方晶窒化ホウ素 (CBN) が、鉄族金属の加工におけるダイヤモンドの欠点を完璧に補っています。立方晶窒化ホウ素 (CBN)はダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、鉄金属との親和性がなく、熱的・化学的安定性に優れています。
鉄金属加工の場合、立方晶窒化ホウ素 (CBN) は間違いなく結構いい選択です。